三菱電機が本当に生まれ変わるために必要だと思うこと

■先週の気になるニュース

以前、「三菱グループ企業の隠蔽体質?」というブログを書きましたが、三菱電機はその後も不祥事発覚が続き、ついに先週金曜日に社長が引責辞任を発表しました。 

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グループ全体で15万人弱いる企業のトップが全ての状況を把握出来ているとは思いませんが、年間2億円の報酬をもらっている以上、このような不祥事が起きた時は会社を代表して責任を取り、世間の非難を浴びるリスクは仕方ないのかもしれません。

しかし、今回引責辞任する杉山さんは、企業風土改善に取り組み、改善活動の結果、社長に就任した18年から不祥事が立て続けに明らかになり、様々な過去の不祥事の責任を取って辞任するというのはちょっと可哀そうですね。本当に責任を取らなければいけないのは、過去の経営陣なのかもしれません。

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<組織は戦略に従う/戦略は組織に従う>

三菱電機くらい大きな組織になると、社長が変わったからといって劇的に良くなるとは思いませんが、事業部の独立性が問題の根幹にあると報道されている中、次の社長が組織をどのように変えるのか興味があります。組織を変えなければたぶん何も変わらないでしょう。

経営学の考え方で「組織は戦略に従う/戦略は組織に従う」というものがありますが、どちらが正しいかは人によりいろいろ考え方があるでしょうから置いておいて、いずれにせよ戦略と組織は密接な関係があります。

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三菱電機は、6月に発表した中期経営戦略では、経営戦略を上記スライドで説明していました。モビリティ、ライフ、インフラ、インダストリーの4つの分野で社会課題を解決し、持続可能な社会実現に貢献するというものらしいのですが、現在の事業部制はこれを推進していくための組織にはなっていないように思われます。事業部制は、いろいろしがらみがあり変えることは出来なかったのでしょう。戦略を組織に従わせるのであれば、現在の事業部制に合わせた戦略を取るべきですし、上記戦略を推進していくのであれば組織もその戦略に合わせるべきです。

私が新しい社長であれば、まずは現在の事業部を廃止し、上記4つの事業部に再編します。その中で人材のシャッフルや生産分掌の再編等行い、過去のしがらみや過去の功労者の人的影響などを排除し、本当の改革を行うべきだと考えます。

三菱電機は、2008年のリーマンショックの時でも黒字を確保する堅実な経営スタイルで、総合電機メーカーの中でいち早く集中と戦略を実行し成功を収めてきた企業と言われています。逆に言えば、その分何かを劇的に変えなければならないという危機感を持つこともなく、過去のやり方を踏襲するやり方が続いてきました。起きてしまったことは仕方ないので、今回の不祥事を機会に今度こそ過去にしがらみにとらわれないドラスティックな改革をしてもらいたいものです。

 

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