「知られざるガリバー」日本信号 究極の安全な移動

週末は株式市場がお休みなので、昨日テレビ東京系列で放送された「知られざるガリバー」で私の保有する日本信号が取り上げられていたので、その内容をご紹介します。

 

冒頭に塚本社長から「どんな状況になっても、必ず電車を止めてぶつからないようにする、事故を起こさないようにするというのが日本信号のシステム」との力強いコメント。以下番組で紹介された内容の概要です。

■会社概要

  • 日本信号は、”行ってきます”から”ただいま”まで移動の安全を守る会社
  • 連結ベースで従業員約3,000人、売上高は約1,000億円/年
  • 国内拠点は15か所(北海道、三重、中部、静岡等)、海外は6拠点(チェンナイ/デリー(インド)、ダッカ(バングラディッシュ)、台北(台湾))を展開
  • 取扱製品:鉄道用信号システム、道路用信号機、駅の券売機/自動改札、駅構内のホームドア、行き先表示板、コインパーキング装置等

■沿革

  • 1928年:三村工場、塩田工場、鉄道信号の3社が統合し誕生
  • 1937年:腕木式信号機等の信号保安装置の製造を開始
  • 1964年:東海道新幹線の開通、画期的な信号システムを提供

■鉄道用信号システム(主力事業)

  • 鉄道用信号システムは、5つのランプ(色は赤/青/黄色の3色)で構成されており、その色と点灯パターンにより、組み合わで速度制限を表示するシステム。
  • 線路は道路と違い交差点はないが、直線の線路を数百メートルの一定区間で区切るために信号機が設置されている。
  • 列車がある区間に入ると後ろの信号が赤に変わり、後続の列車がその区間に入らないようにし、前の列車がその区間を出ると後ろの信号機が青に変わり、後ろの列車が進むことが出来るようになっている。そうすることで安全な車間距離を保つことが可能となり、事故を防いでいる。
  • 安全に列車を止めるための機器が、線路上の”地上子”と列車に設置された”車上子”という装置。赤信号になると地上子から電波を出して、列車に止まるように指示を出し、列車に取り付けられた車上子がその信号を受け取ると列車が自分でブレーキをかけて赤信号の手前で止まる仕組みで、ぶつからないように制御されているとのこと。
  • 新幹線の場合は、信号機を肉眼で追いかけることが出来ないので、信号機は一切ない。運転席で信号システムを見えるようになっていて、スピード、ブレーキのタイミング等全てプログラムされているとのこと。列車が設定と違う動きをした場合は自動でブレーキがかかる仕組み。
  • 将来的には、現在の地上子から情報を発信する方式ではなく、車両から直接電波を出して沿線の無線機と情報をやり取りしながら走る仕組みに変わっていくとのこと。そこで鍵となるのが、他の電波に影響されずに安全を確保する技術で、日本信号では複数の周波数を切り替えながら交信する技術を確立している。
  • 交信しながら走ることで、後ろの列車が前の列車の状況を見ながら走る速度を細かくコントロールできるようになり、結果、安全な車間距離を取りながら今よりも列車間隔を詰めて走ることができ、より大量輸送が可能となるとのこと。この技術は、韓国やインドネシアで既に導入されているとのこと。 

■無人運転システム

  • ゆりかもめの無人運行システムも日本信号のシステムが採用されている。
  • ゆりかもめのように踏切のない専用の軌道だと簡単に無人運転が可能だか、踏切がある路線では単純に自動運転にするだけでは障害物に対しての回避が出来ないため、人がいたら電車を止めるといったことも含めて開発中。2019年には在来線で自動運転の実験に成功。実用化に向けて技術を更に高めている。 
  • 踏切にも、センサーや状況を確認するためのカメラ等、日本信号の技術が多く採用されている。従来のセンサーは、自動車を検知するものだったが、今ではより小さな自転車や車椅子等も検知出来るようになっている。また踏切上部に設置されたカメラでは、踏切内の状況をリアルタイムに確認でき、鉄道会社はトラブルを回避することが出来るようになっている。
  • ここで集まったビックデータを活用し、パターン分析することでトラブル回避出来るように力を入れているとのこと。

■自動車の自動運転

  • 自動車の自動運転にも、信号システムで自動運転をより安全にする研究を実施。
  • 通常の自動運転自動車は、カメラで信号機の灯色を見るが、日本信号では信号機の情報そのものを扱えるので、”あと何秒で赤になる、青になる”という情報を正確に自動運転自動車に届けることが出来る。
  • 同じ青信号でも信号が変わるタイミングが近い時には、車の速度を落とすように伝えるなど、信号の変わり目を把握出来ることで、より安全な自動運転に貢献することが可能となる。
  • 交差点の信号機からは広範囲を確認出来るので、信号機にカメラをつけることで高い位置から死角がない状況で車や人の動きを把握でき、車や人の動線を予測することで衝突位置を予測することが可能となり、またその情報を自動運転自動車に教えることで、止まったりスピードを落としたりして事故を回避し、安全を確保することが可能となる。 

 

最後に塚本社長から日本信号が見据える未来について「昔出来なかったことがネットワーク化によって出来るようになってきたので、交通信号は赤/青/黄だけでなく、利用者にとって優しいシステムにどんどん成長していく」とのコメントあり。

 

改めて交通インフラという参入障壁が高い分野で確固たるポジションを構築している会社であることを感じました。また今後間違いなく普及していく自動車の自動運転システムでも日本信号のこの技術は必ず安全面で貢献するものになると思います。

 

最後の塚本社長が語った日本信号が見据える未来は、正直ちょっとピンときませんでしたが、この会社は一人の経営者がグイグイ引っ張っていく会社ではなく、現場の技術力と優秀な現場従業員からのボトムアップが優れている昔ながらの日本企業なのではないかと思います。そのため、意思決定に時間がかかりスピード感はあまりなさそうなので、爆発的な成長はないかもしれませんが、今後も着実に安定した事業を展開していくのではないかと感じました。

 

21年3月期2Qの決算発表の内容も悪くありませんでしたし、昨日の放送がきかっけとなり、来週株価が上がることを期待しています。

 

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