運気を磨く~心を浄化する三つの技法~ 田坂 広志

今日は祝日で株式市場がお休みなので、過去に読んだお勧めの本を紹介します。

■運気を磨く~心を浄化する三つの技法~ 田坂 広志 (著)

運気というと説明不可能なカルトチックな印象を受ける方もいるかもしれませんが、本の冒頭にも書かれていますが、田坂さんは、東京大学の工学部で長く研究者の道を歩み、科学的教育を受けた方であり、何かの宗教団体に属したり、オカルト的なものを信じている方でもありません。そのようなバックグラウンドの方が、運気を磨くために大切なことを語っている非常に為になる本です。

 

<無意識の世界を「ポジティブな想念」で満たす>

運気を磨くには、意識の世界だけでなく無意識の世界もポジティブな想念で満たすことが大切とのこと。

物事を前向きに捉える考え方としてポジティブシンキングが大切とよく言われますが、田坂さんが言うには、意識上でポジティブに考えても、既に無意識の世界には、数多くのネガティブな想念が蓄積しており、これらを消さない限り、ポジティブな想念が打ち消されてしまうとのこと。また意識上でポジティブに考えれば考えるほど、無意識に「本当に大丈夫かな?、本当は出来ないんじゃないかな?」とネガティブな想念が浮かんでしまいがちです。これに当てはまらないのが”無邪気な子供”で、子どもに将来なりたいものを聞いても宇宙飛行士とかプロ野球選手とか答えますが、その時に心の中で、「本当になれるかな?」などとは思いません。それが大人になるにつれ、”分別”を身に着けてしまい、無意識にネガティブな想念が浮かぶようになってしまうのです。

そんな大人が、無意識の世界からネガティブな想念を消しさる方法として、田坂さんが紹介しているのが以下の技法です。「根本的な心の姿勢の転換」によって、無意識の世界から自然にネガティブな想念が消えていくというものです。 

 

1.人生の習慣を改める

まず、下記3つの習慣により、無意識の世界に存在する様々なネガティブな想念を「浄化」していく。

①自然の中に身を浸すこと。

「独り、静かに、自然に正対し身を委ねる」ことで、我々の心は無条件に、癒され、浄化されていく。 

②ネガティブな日常言葉を使わない、ポジティブな日常言葉を使う。

ポイントは”日常言葉”で、無意識に使う日常言葉は、恐ろしいほど無意識の世界に浸透していく。ネガティブな言葉として、例えば、「駄目だ」、「酷い」、「最低だ」といった、物事を強く、感情的に否定する言葉は、日常生活において、出来るだけ使うべきではない。また他人を非難し否定する言葉は、自分に戻ってくる。例えば、「あいつは駄目な奴だ」とか「あの人は、絶対失敗する」、「あんな人間は、必ず酷いことになる」といった誰かを厳しく否定する言葉は、無意識の世界では、主語の部分が消え、「駄目な奴」、「失敗する」、「酷いことになる」といった述語の部分が、自分に戻ってくる。逆に、ポジティブな言葉としては、「三つの感」の言葉、つまり、”感嘆”、”感謝”、”感動”が大切。但し、うわべだけのものではなく”心を込めて”、”思いを込めて”でなければ意味がない。

③生活や仕事の中の人間関係において、摩擦や葛藤、反目、衝突がある人と”心の中で”一人一人と和解していく

心の中で、一人一人思い浮かべ、「有難うございます」と感謝の言葉をつぶやき、心の中で和解していくだけだが、これを実践することで、不思議なほど我々の心は癒され、無意識の世界は浄化されていく。

 

2.人生の解釈を変える

次に、次の5つの段階を経て、人生の解釈を変えていく。

①自分の人生には、 自分が思っている以上に多くの成功体験があることに気づき、その成功体験を一つ一つ棚卸することで、その時のポジティブな感覚を思い起こす。我々は、人生を振り返る時に「成功したこと」よりも「失敗したこと」に目が向く、気持ちが向かってしまう傾向がある。それが我々の心の中にネガティブな想念が生まれてしまう大きな原因になっているため、ささやかな成功体験の棚卸しを丹念に行っていくだけで、我々の想念は、少しづつポジティブになっていく。

自分は運が強い人間であることに気がづく。運の強い人間とは、「自分は運が強い」と信じている人間。

(運に関する有名なエピソードで、松下幸之助が、面接採用の際の質問で運が良いかと聞いて、運が悪いと答えた人はどんなに優秀な人でも採用しなかったというものがあります。ちなみに、私は、このエピソードがなんとなく印象に残っていて、今の奥さんと付き合っている時に、奥さんが何気なく「私って昔から運が良いんだよね」と言ったのを聞いて結婚しようと決めました。)

幸運は、不幸な出来事の姿をしてやってくる。不運に見えることが起こった時も、運が良かったことに気付くべき。

(私も自分の過去の経験を振り返ると、嫌だなと思っていた出来事がその後の人生の転換点となり、結果、状況が良くなった経験があるので、これはまさにその通りだなと思います。)

④自分に与えられた「幸福な人生」に”感謝”する。自分の力でこの人生を切り拓いたのだなどと勘違いせず、力を貸してくれた人への感謝の想念、その人々との出会いを導いてくれた大いなる何かへの感謝への想念は、感謝は全てを癒すという言葉の通り、心の中の不安感や恐怖心といったネガティブな想念を消していく。

⑤究極の成功体験に気づく、つまり「そもそも、こうして””生きている”ことが、有り難い」という点に気付くこと。『人は必ず死ぬ。人生は一度しかない。人はいつ死ぬか分からない』、このことを理解するならば今日という一日を与えられ、生きていること、その奇跡のような命の有り難さに気がつく。

 

3.人生の覚悟を定める

最後に、以下の”五つの覚悟”を定めた技法により人生観を体得していく。

自分の人生は大いなる何かに導かれている、と信じる

人生で起こることは全て深い意味がある、と考える(=究極の解釈力)

人生における問題はすべて自分に原因がある、と引き受ける(=他責の姿勢は他者へのネガティブな想念が生まれてしまう)

大いなる何かが、自分を育てようとしている、と受け止める。逆境とは「成長の最高の機会」であり、「脱皮と飛躍の好機」でもある。

逆境を超えるために必要な叡智は、すべて、必ず、「大いなる何か」が与えてくれる

、と思い定める

 

ひとたび、上記5つの覚悟を定めたならば、もはや人生においてネガティブな出来事というものはなくなり、不思議なほど我々の人生は導かれる。そして永い年月をかけて人生を歩み、「必要なとき、必要な配剤が与えられる」ということが日常の出来事として感じられるようになった時には、もはや「よい運気を引き寄せる」ことを考える必要もなくなり、”運気”という言葉を意識する必要もない境涯がやってくる。つまり、人生で起こることは全て良きこと、だと坂田さんは言っています。

 

<絶対肯定>

つまり、この本で坂田さんが述べているのは、本来我々の人生においては、「ネガティブな想念」も「ネガティブなもの」も「不運な出来事」も無い、という”全肯定”の思想、すなわち以下の”絶対肯定”の思想なのです。

  • 本来、我々の人生においては、否定的なもの、ネガティブなものは一切ない
  • 人生で与えられるすべての出来事や出会いは、それがどれほど否定的に見えるものであっても、我々の心の成長や魂の成長という意味で、必ず深い意味を持つ

つまり

我々の人生においては、本来、「良い運気」も「悪い運気」もない

ということなのです。運気というものの本質に迫れば迫るほど、あたかも蜃気楼のように、その言葉そのものが消えていくことに気がつくのです。我々が求めているものは、良い運気を引き寄せることではなく、人生を拓くことなのです。つまり人生を拓くために我々が為すべきことは、ただ「心を磨く」こと、「心を磨き続ける」ことなのです。

 

この本のタイトルは運気を磨くとなっていますが、結局は、自分の心を磨き続けることが大事ということです。自分のプライベート、仕事、人とのかかわり方等、自分を振り返るいいきっかけになると思います。

 

 

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