先週金曜日の大引け後にブリヂストンの2020年第2四半期決算と通期業績予想&減配が発表されました。その結果は、、、、
■2020年通期業績予想
以下が今回発表された2020年通期業績予想ですが、かなり厳しい予想となっております(以下、決算説明資料より抜粋引用です)。
- 売上は、対前年▲23%の2兆7,000億円。前回20年2月の通期予想は2019年同等の3兆5,000億円だったので▲8,000億円となっており、半端ない下方修正です。
- 営業利益も対前年▲70%の1,000億円。前回通期予想から▲2,600億円。内規模減による影響は約▲2,300億円と非常に大きく、営業費の削減や原材料費の改善で挽回を図るも売上の大幅減分をカバー出来ずという感じでしょうか。
- 営業利益率は、9.6%から3.7%となっており、従来の通期計画では、売上はほぼ横ばいで収益性を改善して10.1%まで上げる予定だったのが、逆に大幅な悪化となってしまうようです。
<2020年通期業績予想 前提条件>
- 為替も1㌦=106円と今後更に円高が進めば、更に業績悪化することになります。11月にはアメリカ大統領選挙もありますし、結果次第で、円高ドル安になる可能性もあるので安心出来ません。
- 第四半期にコロナ第2波による需要減リスクを織り込みという点は、何が起こるのかわからないので保守的に見ているということでしょうか。
<配当予想>
- ブリヂストンの魅力の一つは、高配当という点でした。しかしながら、、、今回なんと減配。しかも期末は未定とのことなので、年間配当はさらに下がる可能性もあり。
- 期末も中間と同じ50円の場合、年間で100円となり予想配当利回も急落することになるので、高配当株の魅力はなくなります。
- 昨年19年9月に自社株買いを実施しています(全体の6.8% 約4,800万株、約2,000億円分)。株主還元が目的というよりは、ROE改善のための自社株買いのような印象です。自社株買いも立派な株主還元の手法ではありますが、ブリヂストンの場合は、高配当株としての評価も高かったので、昨年自社株買いを実施せずに、今回コロナ禍でも継続して高配当での株主還元をしていく方針を示した方が長期的には良かったのではないかと個人的に思います。
https://www.bridgestone.co.jp/corporate/news/pdf/2019090903.pdf
■簡易Valuation
ブリヂストンの8/7時点の株価は3,152円ですが、私の簡易Valuationでは、PL・BSベースで約5,000円、DCFで約2,500円(営業利益率の伸びを過去5年のCAGR約▲11%を使用しているため)となっており、今後の成長次第では、配当もいいし、購入してもいいかもと思っておりました。
今回発表した2020年1-6月累計の連結最終損益は▲220億円の赤字(前年同期は+987億円)と11年前のリーマンショック以来の同期間の赤字。加えて、減配を発表したことで、来週、8/7終値の3,152円からどの程度下がるのか想像つきません。下期も減配する可能性があるので、これじゃあ安心して長期保有なんて出来ませんね。
今回のコロナによる業績悪化で各社の株主還元に対する方針が見えたような気がします。業績悪化により配当性向が100%以上になってしまったJTのような会社もあれば、あっさり減配したブリヂストン、減配どころか無配としたパーク24等、各社対応が様々なので、今後の高配当株を選ぶ際の参考にしましょう。