先日、梅雨で雨が降っていた日の在宅勤務中に奥さんから外で洗濯物を干せないのでコインランドリーで乾燥機にかけてきて欲しいと言われ、お昼休みに近所のコインランドリーに行ったのですが、梅雨のシーズンのためか、なかなか繁盛していまして順番待ちをすることに。
椅子に座って待っている間に、日曜の朝やっている「がっちりマンデー」という番組で、その年に上場した会社を取り上げる「ぼくたち上場しました!」という年1回の恒例企画があるのですが、2016年11月にマザーズに新規上場したWASHハウス(6357)というコインランドリーの出店・運営・管理ビジネスを展開する企業が取り上げられていたことを思い出し、こんなに混んでいるなら株価も上がっているかもと思い、テレビで取り上げられてからのその後を調べてみました。
■WASHハウス概要
■決算数値(16年12月期➡19年12月期)
番組放送時(17年6月)の16年12月期決算情報から直近の19年12月期で、店舗数は415店舗➡618店舗と増えているものの、売上は31億円➡22億円と減少、当期純利益にいたっては1.9億円➡▲1.8億円と赤字になっています。
■CF計算書
営業CFも対前年でマイナスが悪化してますし、投資CFも大きくマイナス。結果、約26億円あった現預金が半分の約13億円まで減少しています。
■19年度アクショントピックス
決算ハイライトには、赤字の原因を「天候の影響」と一言だけ記載していますが、そのような自社ではコントロール出来ない要因を赤字原因としているようでは、回復するも悪化するも天候頼みのような印象を持ってしまいます。
また、19年度は、コスト削減を目的とし、洗剤工場用地を取得したり、中国に開発拠点の子会社を設立したり、東南アジアでの事業展開の足掛かりとするための子会社をタイに設立しています。18年度までは、あまり大規模規模投資をしてこなかったので、成長投資を増やして方向転換したことはいいと思うのですが、個人的にはお金をかけるところが違うのではないかと感じます。
■展開エリア
海外展開もいいのですが、日本にもまだ展開出来ていないエリアがたくさんありますし、特に日照時間が短くコインランドリーの需要が高そうな東北はまだ青森の1店舗しかありません。常夏の東南アジアでの事業拡大を目指す前に日本でのエリア拡大に投資をすべきだと思います。まだまだ日本でやることがたくさんあるのになぜ東南アジアなのかいまいちよく理解出来ません。
■結論
ということで、コインランドリーが混んでいる様子を見て、株の購入を検討しましたが、直近が赤字であること、本業の強さを示す営業利益率も減少傾向にありコスト削減してもどの程度成長するのかわからないこと、そして会社の戦略の方向性もちぐはぐな違和感を感じるので、やめた方がよさそうだと思いましたので、購入しないことにしました。
株を買うかどうかの判断にはIR資料は有用ですね。引き続き身近なビジネスを展開する企業でいい投資先の会社を探していきます。
*貼り付けている資料は、全て2019年12月期決算短信補足資料からの引用です。