週末は株式市場がお休みなので、過去に読んだお勧めの本を紹介します。
■ 自分の中に毒を持て-あなたは“常識人間"を捨てられるか (青春文庫) 岡本 太郎 (著)
私が社会人になったのは就職超氷河期の2000年だったのですが、幸い某一部上場企業のメーカーに就職することが出来ました。まあ、全般的にはいい会社でいい人も多かったのですが、今でいうブラック企業で、労働環境、特に拘束時間が非常に長くて、夜に広告代理店のお客さんを営業訪問したり、一番酷い時は夜中の2:00頃仕事が終わって営業車で帰宅するなんてこともありました。
一時期徹底的に仕事に没頭してみようと思い、ガムシャラに取り組んだこともありましたが、5年後、10年後もこの仕事をするのは厳しいしやりたくないなと思い、結局10年働いて退職しました。
そのように悩みながら働いていた時に何度も読んだ本がこの本でした。久しぶりに読み直したら以下の内容に線が引かれていました。当時琴線に触れたのでしょう。。。
- 財産も知識も蓄えれば蓄えるほどかえって人間は自在さを失う。
- 結果が思うようにいかなくたっていい。結果が悪くても、自分は筋をつらぬいたんだと思えば、これほど爽やかなことはない。人生というのはそういうきびしさをもって生きるからこそ面白い。
- 何でもない一日のうちに、あれかこれかの決定的瞬間は絶え間なく待ち構えている。朝、目をさましてから、夜寝るまでに。瞬間瞬間に。
- 危険な道をとる。死と対面することこそが、いのちを燃やす真のよろこびである。
- 実際にはまず自分の分限というものを考えてしまう。自分を限定してしまい、その程度の人生で諦めてしまえば、これは安全な一生。だが、自分がいまの自分を否定して、更に進み、何か別な自分になろうとすることには大変な危険が伴う。
- 会社は忙しいし、夜帰ってくると疲れてしまうし、そのうち女房を持ち、子供などを持ってしまうと、型通りの家庭生活に入ってしまう。大体においてここで人生を諦める。
- 不成功を恐れてはいけない。人間の大部分の人々が成功しないのが普通。
- 人間にとって成功とは、自分の夢に向かって自分がどれだけ挑んだか、努力したかではないだろうか。
- これは自分にとってマイナスだな、危険だなと思う方を選ぶ。結果がまずくいこうがいくまいがかまわない。むしろ、まずくいった方が面白いと考えて、自分の運命を賭けていけば、いのちがパッとひらく。計算づくでない人生を体験する。
- 何か、これと思ったら、まず、他人の目を気にしないこと。また自分の目も気にしないで、萎縮せずありのままに生きる。
- 人に相談したって仕様がない。心の動く方向にまっすぐに行くのだ。失敗してもいいから。
- さしあたり惹かれるものがなかったら、本を読むのもいい。本は自分自身との対話。
- 「いまはまだ駄目だけれど、いずれ」と絶対に言わないこと。"いずれ"なんていうヤツに限って、現在の自分に責任をもっていない。
- 自分を他と比べるから、自信などというものが問題になってくる。他と比較して自分を決めるというような卑しいことはやらない。自信なんていうのは相対的価値観。
- なぜ友達に愉快な奴だと思われる必要があるんだろう。こういうタチの人は自動的に他人に気をつかって、サービスしてしまうんだろうけど。それは他人のためというより、つまりは自分の立場をよくしたい、自分を楽なポジションに置いておきたいからだとうことをもっとつきつめて考えてみた方がいい。
- 人は自分を客観視しているように思っていても、実は誰でも自分が好きで、大事にしすぎているのだ。
- やろうとしないから、やれないんだ。それだけのことだ。
岡本太郎さんは、この本を70代後半で書いたようですが、高齢になってこのような若々しい気持ちを持ち続けていたことが本当にすごいことだと思います。読む人の現在の状況で、上記以外にも深く突き刺さる言葉が必ずあるはずなので、読んでいない方はぜひ一度読んでみて下さい。